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望むべくもの、望むべくでないもの
さる2月20日、ドン・キホーテの情熱価格プラスブランドで骨伝導イヤホンである「JOGBONE」を発売する発表がありました。
かつてツーカーが骨伝導ケータイを発売した時に家電量販店で試用した時の「本当に聞こえる」という感動をずっと引きずっていた私には久しぶりに引っかかるワードでした。
骨伝導という技術はF1の無線で使われていたことで有名で、耳に聞こえる周囲の雑音とは別に確実に音声が聞こえる技術として使われていた側面があります。
私は普段apt-X HD対応のTaoTronics SoundElite 72を使っていて、普段使う分には問題はそんなにない1のですが、このタイプのイヤホンのマイクを外で使った場合の使いづらさには耐えかねていて、通話専用にはPlantronics Voyager 5200を別途購入して使っています。マイクの安定性についてはPlantronics製品以上のものは今でもないと思っていますが、いかんせん片耳なのと私の耳の形が完全前向きで耳に引っ掛けるタイプの製品がことごとく合わずに外れやすいという個人的な事情もあり、外で使うことを考えた時に常時付けられないという憂き目にもあっています。
そこで、もし「骨伝導タイプでマイクが外で常用できるものでそこそこの音質を実現したら使いたいなぁ」というニッチな需要に対するアンテナが急激に高まりました。
Amazonで中華骨伝導イヤホンがたくさん売られている
ここ1年くらいAmazonで中華な骨伝導イヤホンが売られていて、正月にガジェット好きな人たちと新年会をした時に持ってきたのを使ってみて「単に爆音で鳴らしてるだけやないかい!」と憤り、こりゃダメだなという結論に至った後にネットで評判を見ていると「AfterShokzは良かった」という意見が随所に。
AfterShokz製品の評判
ケータイWatchはいうても商業媒体なので、いくらかお手盛りがあるんではないかと勘ぐっていてこの時点ではスルーしていました。そして取扱のあるAmazonのレビューでも上位の方に
Amazon.co.jp: 【正規輸入品】AfterShokz AIR 骨伝導ワイヤレスヘッドホン スレートグレー 30g AFT-EP-000005: 家電・カメラ
titaniumを愛用していましたが、2年ほどで片側が鳴らなくなり、同じものをを思っていたところ、価格は上がりますが、新機種が出ていたので、メーカーを信じでいたので、より良くなったと押しているこちらを試してみることにしました。 聞いてみたところ、明らかに改良されていて、音量が増し、高域が聞きやすくなり、量感も増えていました。骨伝導をよくぞここまで磨き上げたものです。ただ、小型になったためか、装着位置に余裕があり、titaniumよりもスートスポットが狭い印象です。気に入る位置を色々試す必要があります。数回使えば、常にその位置に装着できるようになりました。 自転車での利用がメインですが、動画を見ながらの料理でも大活躍しています。 骨伝導で失敗したと思った方も、こちらか、titaniumをお試しください。やはり、自転車に乗るのに耳栓をするのは危険です。条例で禁止されているところもあります。汗にも強い構造で、ほぼ毎日使っていますが、2年持ちました。保証も2年あるので、その点も安心です。是非、快適なサイクリングをお楽しみください。
完全にノンネイティブな日本語レビューがあり、AfterShokzはヤラセでしかないのかなぁと落胆するも試聴して決めようと決心し、試聴ができそうなeイヤホン(秋葉原店)へ。
AfterShokz Aeropex(新機種)の試聴
eイヤホンで試聴が出来たのはAfterShokz Aeropexで、これはTrekz Airの後継モデル、現行の最新機種になります。
使ってみた感想は
- Amazonで売ってる中華イヤホンみたいに爆音で鳴らすわけでもなくちゃんと骨伝導する
- 音質は低音が圧倒的に出ないけど、それを除けば割といいかも
- eイヤホンの店内でマイクを試したけど不思議とちゃんと声が入っている
と、音質に目を瞑ればかなりいい感じでした。とはいえ、Aeropexはお値段がほぼ2万円するので手が出せない。安いのがあればなぁと思いながら上の階にあるeイヤホンの中古売り場でTrekz Airの中古(箱、説明書、耳栓なし)を発見、急いでAeropexとTrekz Airの違いを確認して購入した次第です。
装着時はこうなります。引っ掛けるタイプがことごとく外れる耳というのがお分かりいただけるだろうか…
AfterShokz ここ数モデルの機能比較
- AfterShokz Titanium 2017年6月
- AfterShokz Trekz Air 2017年12月
- AfterShokz Xtrainerz AfterShokz Aeropex 2019年9月
このうち、Xtrainerzは内部ストレージを持つ単体音楽プレイヤーでBluetooth接続できないので除外して3モデルを比較するとこんな感じになります。
https://aftershokz.jp/pages/compare-products
Aeropex | Trekz Air | Titanium | |
---|---|---|---|
骨伝導 テクノロジー | PremiumPitch 2.0+ | PremiumPitch+ | PremiumPitch+ |
防水防塵 | IP67 | IP55 | IP55 |
Bluetooth | 5.0 | 4.2 | 4.1 |
材質 | フルチタニウム | フルチタニウム | チタニウム製ヘッドバンド ポリカーボネート製イヤーフック |
バッテリー 持続時間 | 8時間 | 6時間 | 6時間 |
重量 | 26g | 30g | 30g |
マイク | デュアルマイク ノイズ軽減機能 | デュアルマイク ノイズ軽減機能 | デュアルマイク ノイズ軽減機能 |
個人的にマイクを重視したので、マイクが一緒ならTrekz Airでいいだろうと判断。骨伝導なので中古を買っても前の使用者との接点はこめかみだけですし。
ちなみにTrekz AirからAeropexへの変更点は以下になります。
- 骨伝導テクノロジーがPremiumPitch+からPremiumPitch+ 2.0へ
- 防水防塵がIP55からIP67へ
- Bluetoothが4.2から5.0へ
- バッテリー持続時間が6時間から8時間へ
- 重量が30gから26gへ
- 充電がMicroUSBポートから独自の2接点端子へ
- 外装から全ての穴がなくなる
充電ポートの外側に穴がなくなることで防水防塵性能が上がったと推測します。代わりに充電が汎用的なMicroUSBポートではなくなったので、Trekz Airの方がいいと思う人もいるかもしれません。
各部説明
上下ひっくり返した画像です。左耳の外側にマルチファンクションボタン(再生・一時停止)、右耳の根本の方に充電用MicroUSBポート、音量+/電源ボタン、音量-ボタンが並んでいます。付けながら操作する場合は右耳の下からボタンを押す形になります。音量+/電源ボタンは突起が付いているので触ればわかるようになっています。
マイクは右耳部分に2箇所あり、これである程度環境音を減らしてるんじゃないかなと想像しています。
操作方法
自分が買った中古は説明書が入ってなかったので操作方法を説明書から抜粋します。音声案内は日本語になっているため説明書の記載とは異なります。
充電
MicroUSBポートに接続します。
ペアリング
電源ボタンを5秒押すとペアリングモードに入り、赤色と青色のLEDが交互に点滅します。
接続方法
端末のBluetooth設定から「Trekz Air by AfterShokz」を選択します。完了すると音声ガイダンスがあり、LEDが青く一度点灯します。
マルチボタン
機能 | 操作方法 | 音声案内 |
---|---|---|
音楽再生/一時停止 | クリック | 一回の提示音 |
次の曲にスキップ | 曲再生時ダブルクリック | 一回の提示音 |
電話に出る/電話を切る | 着信時/通話時クリック | 二回/一回の提示音 |
現在の通話を維持したまま、二つ目の着信に出る | クリックして着信に出る | 一回の提示音 |
現在の通話を切って、二つ目の着信に出る | 通話時に2秒押す | 一回の提示音 |
通話を拒否する | 2秒押す | 二回の提示音 |
音声ダイヤル | 2秒押す | 提示音 |
最後に発信した番号をリダイヤルする | ダブルクリック | “Last number redial” |
音量+/電源ボタン:音量-
機能 | 操作方法 | 音声案内 |
---|---|---|
電源オン/オフ | 電源ボタンを2秒押す | “Welcome to Trekz Titanium” |
ミュート | 通話時、同時に+と-を2秒押す | “Mute on”または”Mute off” |
イコライザー切り替え | 音楽再生時、同時に+と-を2秒押す | “Equalization changed” |
バッテリ残量チェック | 音楽一時停止時+または-を押す | “Battery high, medium, llw, or charge me” |
音量調整 | +または-を押す | 一回の提示音 |
イヤホン仕様
型番 | AS650 |
周波数帯 | 20Hz〜20KHz |
マイク感度 | -40dB±3dB |
バッテリー | リチウムバッテリー |
待機時間 | 20日間 |
重量 | 1.06oz |
最大充電圧 | 5.25V |
スピーカーインピーダンス | 11.40ohm |
スピーカー | Bone conductionスピーカー |
感度 | 100±3dB |
Bluetooth接続距離 | 約10m |
連続再生時間 | 6時間 |
充電速度 | 2時間 |
保証期間 | 2年 |
防滴 | IP55 |
バッテリー容量 | 183mAh |
Bluetoothバージョン | 4.2 |
対応プロファイル | A2DP AVRCP HSP HFP |
2台のデバイスを同時接続する方法
- ヘッドホンをオフにします。
- “ペアリング”と音声ガイダンスを行い、LEDが青と赤に点滅するまで、ボリュームボタン(+)を長押しして、ペアリングモードに移行します。
- マルチファンクションボタンとボリュームボタン(+)を3秒間長押しします。”マルチポイント イネーブル”と音声ガイダンスを行います。
- 1台目の端末のBluetooth設定から、「Trekz Air by AfterShokz」を選択しペアリングします。完了すると、”コネクテッド”と音声ガイダンスを行います。
- ヘッドホンをオフにします。
- “ペアリング”と音声ガイダンスを行い、LEDが青と赤に点滅するまで、ボリュームボタン(+)を長押しして、ペアリングモードに移行します。
- 2台目の端末のBluetooth設定から、「Trekz Air by AfterShokz」を選択しペアリングします。完了すると、”コネクテッド”と音声ガイダンスを行います。
- ヘッドホンをオフにします。
- ヘッドホンをオンにすると、どちらの端末にも接続した状態となります。
出荷時の設定に戻す(初期化)
- ヘッドホンをオフにします。
- “ペアリング”と音声ガイダンスを行い、LEDが青と赤に点滅するまで、ボリュームボタン(+)を長押しして、ペアリングモードに移行します。
- マルチファンクションボタン、ボリュームボタン(+)、ボリュームボタン(-)の3つの全てのボタンを、ヘッドホンから2回のビープ音が聞こえるか振動を感じるまで、3〜5秒間長押しします。
- ヘッドホンをオフにします。Trekz Airのリセットが完了したので、ペアリングを再度行います。
メリット
軽い
そもそもの重量が30gと軽いので、挟み込む形で装着しますが重さは全くと言っていいほど感じません。外れにくさもヘッドバンギングしたら外れるかもしれませんが振り向いたりするだけなら全くズレません。頭の小さい人ならズレるのかな?
野外で使う分には何の問題もない
音漏れは骨伝導イヤホンの中ではかなりしづらい方です。野外で使う分には密集地帯で使うのでもなければ音漏れは気にしなくてもいいと思います。
インナーイヤーヘッドホンで音漏れする音量で再生すると盛大に音漏れします。
周囲の音を遮らない
特に自転車・バイクに乗りながら使う場合はこれが大きなメリットになると思います。チャイムや他の人からの呼びかけも問題ありません。
マルチペアリングできる(2台)
室内と持ち歩き等、複数の機器で使う場合を考えるとこれは嬉しいですね。
デメリット
音質が悪い
極論してしまうと骨伝導である以上はどうにもならないと思います。プロファイルもSBCのみですがこれは当然ですね。音質を求める場合はapt-Xやその他低遅延・高音質に対応したコーデックのイヤホンを使うべきだと思います。
音質が悪いのに2万(Aeropexの場合)も出せるかという批判に対する適切な回答はありません。
他人がいる室内では使いづらい
ポッドキャストとかであれば音量が必要ないので周囲に音漏れする程の音量で使うことはないと思いますが、音楽を聞くとどうしても音漏れします。普通に流してる音量でも30cmくらいなら何を聞いてるかわかるくらいには音漏れするので、電車とか図書館での使用は無理です。
逆に、街中で使う想定なら周囲の騒音の方が遥かに大きいので、割と大きめの音量で聞いても他人からそこまでは聞こえないと思います。
曲戻しができない(曲送りもコツが必要)
Bluetoothイヤホンは暗黙の了解で音量+の長押しで曲送り、音量-の長押しで曲戻しができることが多々ありますが、AfterShokzのイヤホンはこれができません。
説明書にはマルチファンクションボタン(再生・停止)の再生中2度押しで曲送りができると書いてますが、短く2回連打してしまうと一時停止になるだけで、2回目はともかく1回目を少し長く押す必要があります。
なので、端末側で曲送り・曲戻しをする方が圧倒的に楽です。機能面で唯一不満です。
人によってはこめかみ圧迫がつらいかも
骨伝導で響かせる場所は耳の穴の前で、一般にこめかみをグリグリするところの近くなので、連続して付けるのがつらいと感じる人がいるかもしれません。個人差があると思います。
首の後ろに何かがあると干渉する(フード付きのコート等)
両耳とそれをつなぐケーブルのみのイヤホンの場合、基本的には首周りで干渉することはありませんが、Trekz Airは装着時に結構張力があるので首の後ろに何かあると干渉します。夏場は問題ないと思いますが、冬はコートの襟やフードのあるものに物理的にぶつかって結構不快です。
また、装着時は耳の上を通すので、メガネも耳の後ろに引っ掛けるものは干渉します。横から挟み込むスポーツタイプのものは少し上を挟む様にすれば大丈夫です。
仰向けに寝るのも首後ろで干渉しますが、誰も見ていない前提で顔の前から挟み込めば仰向けになっても大丈夫です。
https://aftershokz.jp/collections/all/products/air
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- 使ってるうちに操作部分の重さに引っ張られて右側が垂れ下がっていくくらい [return]
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